• チベットには行ったことはないが、隣のインド国内にあるラダック(ここもチベット人らが住む地域)には2ヶ月半ばかり滞在したことがある。また、チベット専門のカメラマンやチベットに通い続けている画家の友人たちも周りにいる。チベットの事件は私にとっても人ごとではない。

    今回のチベットに対する中国の処置は見事である。デモの鎮圧を始めてからは、外国人の立ち入りを禁止し、電話は通じにくくし、インターネットは検閲(これはいつもだが)し、外国人旅行者が撮影した映像は没収と、ラサを完全に封鎖してしまった。内部からの情報はほとんど出てこない。そして出てきた映像は国営の中央テレビの、 チベット人が暴れている姿のみ。ヤンゴンのときとは大違いである。

    ヤンゴンのデモでは毎日トップニュースでデモ隊の映像が流れ、発砲する兵士の姿、生でヤンゴン在住の日本人との電話インタビューと、連日生々しい映像がいっぱいであった。ネットでも多くの写真やビデオがあふれていた。もしかしてミャンマーは報道が自由な国?と思わせるような状況であった。もちろんミャンマーで報道が自由なわけではなく、政府の取り締まりの力がないだけだ。中国と比べるとまるで大人と子供だ。今回、改めて中国の恐ろしさを感じた。「中国はチョットおしゃれな北朝鮮」と表現しているブログがあったが、まさにそうだ。「発砲していない」「動乱はダライ・ラマ派の企てだ」「不法分子が残忍な手段で無実の人民を殺した」「分離主義に反対し安定を守るため、人民戦争を戦う」「デモ参加者らに最後通告をし、降伏を求める」、これはおしゃれするのを忘れてしまって素顔を見せたんだろう。これが中国共産党政府だ。

    それにしても情けないのが日本のマスコミだ。テレビに出てくるのは中央テレビの映像ばかりだ。この映像を流すのなら、プロパガンダだとはっきりと説明するべきである。それをたいした説明もなしに何度も流している日本のテレビは中国政府の思うように動いてる。先ほど、報道ステーションでチベットのニュースをやっていたが、これにはあきれてしまった。コメンテーターである朝日新聞の加藤千洋氏が、「現地の情報があまり伝わってこないのが悩ましい」とジャーナリストであるべき自分の職務を放棄したような口ぶりで、中国政府の責任をごまかしている。あげくに、中国の対チベット政策は「よかれと思って」やったと言う。加藤氏は去年のヤンゴンのデモのときはミャンマー軍政を強く批判し、日本政府はもっと圧力をかけるべきだと言っていた。加藤氏のような親中派ジャーナリストほどミャンマーの軍政に厳しいというダブルスタンダードが多いのは私の気のせいだろうか。

    今回のチベットの事件を知るために参考になるブログふたつと、気になる記事ひとつ紹介します。

    「中国はチョットおしゃれな北朝鮮」と表現した御家人氏のブログ
    http://blog.goo.ne.jp/gokenin168/e/61966f5d260dd235725065fc1a7a19c6

    北京で奮闘する産経新聞の福島さんのブログ
    http://fukushimak.iza.ne.jp/blog/entry/513692/

    チベットでは500以上殺されたというインドの新聞社India Dailyの記事。これが本当だとすると大変なことだ。
    http://www.indiadaily.com/editorial/19252.asp

    Posted by 後藤 修身 @ 00:41

  • 2 Responses

    • 久々のご意見嬉しく拝読しました。ほんとうに日本のジャーナリストは日和見主義者ですね。ジャーナルがフランス語の日を表すジュールから来ているのも無理からぬことだと苦笑
      したくなります。それにしてもミャンマーにあんなに厳しいアメリカやヨーロッパ諸国が、中国にはなんかおっかなびっくりのビビリムードなのが気に入りません。市場が大きいということはつまりそれほど大切なお客様なんですね。

    • D先生、
      今回の件は、本当のジャーナリストかどうかを見る、ちょうどいいリトマス試験紙になりますね。
      これで、中国共産党の終わりの始まりになればいいのですが。そうなると、ミャンマーも民主化するのではと期待してます。

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