ヤンゴン家計簿3月20日 | 超速の鍵名人

ヤンゴン生活, 物価

やってしまった。自分で自分を部屋から閉めだしてしまった。鍵は部屋の中、どうする?

 3月20日の家計簿(為替レート 1円=9.393チャット)

  1. タクシー(ヤンゴン大学へ) 2,000Ks
  2. バス(ヤンゴン大学から帰宅) 200Ks
  3. タクシー(鍵屋2往復) 5,000Ks
  4. タクシー(エーチャンダーホテル往復) 5,000Ks
  5. 鍵HELP代 5,000Ks
  6. 鍵コピー x2 1,000Ks

 合計 18,200Ks(1,938円)

 いつものように朝7時すぎに部屋を出て南京錠の鍵をかけようとする。あれ?鍵がない。そうだ、部屋の中だ。あれ?今、ドアをロックしたまま閉めたんだ。 中に入れない!

 部屋の鍵はドアノブの鍵と南京錠と二つかけている。ドアノブは内側からロックするタイプで、外からは鍵を回してもロックできない。ということで、いつもは鍵を持ってでて、ドアノブのロックをしてドアを閉める。その後に南京錠をかけるというようにしている。でも、今日はボケていた(いつもボケているという声もあるが)。鍵を持って出ずにドアのロックをしてしまったのだ。でも、大学へ行く時間だ。しょうがない。ということで、とりあえずタクシーで大学へ向かった。

 さて、帰ってきた。どうしたものか。1階の雑貨屋のゾーさんに相談する。

「ラタ・ランの鍵屋にいくしかないな」

ということで、二人してタクシーで向かった。その鍵屋はラタ通りとマハーバンドゥーラの交差点の角に小さな露天を出していた。ゾーさんが半分も説明しないうちに、鍵屋のオヤジが動き出した。

「行くぞっ!」

店番の息子に何やら指示をし、必要な道具を持って歩きだした。行くぞっ!と言ってからものの15秒も経ってない。

 我が家に着くと、何も言わずに速攻で動き出した。と、思ったら、あれっ? もう開いた? ものの15秒も経ってない。オヤジは名人だった。それに、すごい早業だ。写真を撮ろうと、カメラを用意している間に開けてしまった。しょうがないので、再現ビデオよろしく、開ける格好してもらって写真を撮った。

鍵名人
鍵名人はものの15秒で鍵を開けてしまった。

撮り終わるとすぐに、

「帰るぞっ!」

私は鍵のコピーを作るので、また彼と一緒に店に行かなけれいけない。駆け足で彼の後を追っかけた。

 ミャンマー人は他の東南アジアと同じで総じて動作がスローでのんびりしている。よく言うと、優雅だ。けど、彼は速い。私が今まで会ったミャンマー人で一番速い。香港人より確実に速い。彼だったらソマリランド(高野秀行さんの『謎の独立国家ソマリランド』に、超速ソマリ人の話が出ている)でも生きていけるかもしれない。

 ウー・サンジェインはこの場所で鍵屋を始めて25年経つ。私のように「助けてくれ」と彼を頼ってくる人がたくさんいる。1週間で20人は来ているなと、本人の談だ。私のケースは簡単な鍵だったが、ずっと難しいものも多い。車のドアの鍵もよく頼まれるという。でも、「開かない鍵はない」と豪語する。

 鍵のコピーもよく客が来るそうだ。1日に20個以上のコピーをしているという。年代物の機械を回しながら、こちらもあっという間に作っていく。簡単な鍵は1個500Ksから、車の鍵で難しいものは5,000Ksくらになるものもある。と、話を聞いているうちに客がやってきた。また超速で作業を始めた。

鍵名人の店
鍵名人の店での働きぶりも速い。他の鍵屋の3倍のスピードはある。

夕食は日本から到着したばかりのK氏と一緒にとることになった。シュエゴンダインの立体交差の先にあるホテルをとったK氏、近くのイタメシ屋に行こうと言う。男二人でイタメシ屋は恥ずかしい。それに、ヤンゴンのイタリアンはちょっと高そう。家計簿をつけている私としては反対したが、この付近には他に食べるところがないという。しょうがない、おごってもらうことにして、オヤジ二人でイタリアレストラン「ナポリ」に入った。

イタリアンの「ナポリ」
イタリアンレストラン「ナポリ」。
シュエゴンダイン通り沿いの Nga Htat Gyi パゴダ の斜め向かいにある。

 新しくて小ぎれいな店だ。メニューを見ると、ヤンゴンのこの手の店としてはあまり高くはない。日本のサイゼリアと同じくらいだと、二人で納得した。私はよく自炊でスパゲッティを作っているので、普段自分じゃ作れないものということで、ドリアを頼んだ。K氏は奮発してパエリアだ。ドリアが3,500Ks、パエリアが5,000Ksはまさにサイゼリア。

「ナポリ」のドリア
生クリームをふんだんに使ったドリア。

 ドリアがやって来た。スプーンですくって一口。おおお、生クリームの濃厚な味が口に広がる。おごりだったので、うまさも倍増だ。