外国人

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チン州南部の中心の町ミンダからチン州最高峰のビクトリア山(標高3,109m)へ登った。途中、エー村という小さな村に宿泊した。ひさしぶりの山歩きでへとへとになって村に着いた。道ばたで休んでいると村の子供たちがやってきた。お姉さんと弟二人なんだろう。小さいほうの弟はお姉さんに背負われていた。5mほど離れたところまでやってくると立ち止まってこちらをじっーーーと見つめている。こっちへおいでと言っても無反応。近寄ろうとすると後ずさりする。そういや、似たことがあった。自分の子供の頃を思い出したのだ。

九州の田舎で育ったので子供の頃外国人を見ることはほとんどなかった。ある日、近所の友達がひそひそと話をしていた。「あっちにアメリカ人がおるぞ」。そう、その頃は白人は全てアメリカ人ということになっていた。友達の指さす方を見るとちょっと先に背の高い男がいた。僕らは物陰に隠れて見ていた。その外国人が歩いていくとその後ろをこっそりとついて行く。そんなことをしばらく続けたのを思い出した。好奇心と怖さが半々だった。この少女も私の子供の頃の気持ちときっと同じなんだろう。

翌日の早朝、ビクトリア山に向けて身支度をしていると、その少女が今度は一人でやってきた。前日よりも私との距離がちょっと近くなっていた。声をかけると、ほんの少し笑った。

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Posted by 後藤 修身