• フィリピンで元日本兵が見つかったというニュースが話題になっている。しかし、なかなか姿を現さないので、ここに来てなんだか変な雰囲気になってきた。日刊スポーツでの共同電ニュース、 仲介の日本人男性「数日中に救い出す」では、

    だが、元日本兵とは「まだ直接会ってはいない」とし、現段階で2人の写真や本人が書いた文字などの物証はないことも明らかにした。
    今回の情報は伝聞で「雇ったフィリピン人スタッフを通じて得た」という。

    とあるし、同じく日刊スポーツで英タイムス紙からのニュースとして、英紙「日本兵生存は偽情報か奇跡か」という記事が出てきている。

     しかし、偽情報の可能性も排除されていないと指摘。その場合は現地のガイドら地元に落ちる金目当ての可能性があると分析した。

    と書かれている。他にも、Livedoor News が伝えるAP電では、元日本兵情報はペテンの可能性=比警察高官

    この地域を担当するフィリピン警察の情報局高官は27日、「この話はペテンの可能性がある。誰かが何かを手に入れたかっただけのことかもしれない」と語っている。

    ペテンではないかとまで書かれてしまっている。本当に元日本兵がいるのかどうかは私には全然分からないが、これまでの報道の流れを見ると、たしかにある種のあやしさを感じる。

    ここでミャンマーの話にとぶが、ビルマにも日本に帰国しなかった元日本兵がいる。2000年にヤンゴンで亡くなった北村作之蒸さんや、やはり2000年に亡くなった吉岡徳喜さんは有名である。他にも何名か知られていたが、高齢のため亡くなられた方がほとんどだ。彼らの事情は個々人で違うが、最後は自分の意志でビルマに残った。時々日本に一時帰国することもあったが、最後はビルマの地で亡くなった。その他にも地方に行くと元日本兵に関する噂は時々聞くが、噂だけに終わるのがほとんどだ。私も一度、90歳を越える日本人のおばあちゃんが中国国境に住んでいるという情報を元に現地へ行ったが、その地にはちょうど紛争が起きて入れなかったし、そのおばあちゃんを知る人に尋ねると、中国人で既に亡くなったという話であった。
    また、今回のフィリピンの情報の中で、2名以外にも60名もの元日本兵がいるという「すごい話」があるが、ビルマ絡みでもすごい話があった。メコン源流「ニッポン村」という本だ。元日本兵や元看護婦たちがラオス国境に近いビルマの山奥に村を作り、そこに200名ほどの日本人の村民がいるというのだ。絶版になっているが、一部で注目を浴びていた(一部とは誰?)本なので、古本で仕入れて読んでみた。でも、途中で読むのをやめた。そんな本だった。

  • 爆破事件の犯人に関する記事Myanmar says hunts for 3 suspects in bombingsがロイターから出てきた。

    25 May 2005 08:26:29 GMT
    Source: Reuters
    SHANGHAI, May 25 (Reuters) – Myanmar’s military rulers are hunting for three members of the minority Karen ethnic group suspected of carrying out bombings in Yangon earlier this month, the country’s ambassador to China said on Wednesday.

    “These terrorists haven’t been caught but we have information about them. We are offering a 10 million kyat award for them,” Thein Lwin told Reuters in Shanghai in comments translated into Chinese by an embassy employee.

    The military was searching for two women and one man, all Karens, suspected of killing at least 19 people and wounding 162 in three coordinated bombings on May 7, he said without giving further details.

    The military, which has ruled the former Burma since 1962, has blamed the attacks on ethnic Karen, Shan and Karenni rebels working together with exiled pro-democracy activists.

    The groups denied the charge and some diplomats say the explosions might have been a result of an internal power struggle in the government.

    The kyat’s black market value hit a two-year low of 1,015 to the U.S. dollar this week, which would make a 10 million kyat reward worth about $9,800.

    The official rate is six kyat to the dollar, which would make the reward worth $1.67 million.

    上海:5月25日(ロイター)
    水曜日に在中国ミャンマー大使が語ったところによると、ミャンマー軍事政権は、今月初めにヤンゴンで楽団を運んでいたという疑いでカレン族のグループ3名を追っている。

    「テロリストたちは捕まっていないが、我々は彼らに関する情報を持っている。それらの情報に1000万チャットの報奨金を与えている」と、Thein Lwinが上海でロイターに述べた(大使館職員によって中国語に翻訳されている)。

    「軍は2人の女性と1人の男性(全てカレン族)を捜している。彼らは、5月7日の計画的な爆弾により、少なくとも19人を殺し、162名を負傷させた疑いがある」と述べたのが全てである。

    軍(1962年以降、旧ビルマを統治している)は、亡命民主活動家たちと行動を共にしている、少数民族のカレン、シャン、カレニを非難していた。

    それらのグループは疑いを否定し、一部の外交官は爆発が政府内部の権力闘争の結果かもしれないと述べている。

    今週、ブラックマーケットでのチャットは、米ドルに対して1,015という2年間で最も低いレートに達した。報奨金の1000万チャットは、約9,800ドルになる。

    公定レートは1ドル6チャット。それだと167万ドルの報酬金になる。

    事件以降、犯人に関する具体的な報道はこれが初めてである。本当に犯人がカレン族だとしたら、「ヤンゴン爆弾テロ事件、誰が?・・・」に書いたように、God’s Army の流れを汲むものたちか、KNUの別の分派が考えられる。ところで、今回の記事であれっと思った部分がひとつあった。なぜか上海からのニュースになっている。やはり、ミャンマーと立場を同じくする中国だから特別扱いなのか?

  • 最近は爆破事件のニュースが途切れていたが、読売に、「爆破事件、手がかり乏しくミャンマー政権が情報に報酬」という記事が出た。

     【ヤンゴン=川辺徹】ミャンマーの首都ヤンゴンで7日に起きた同時爆破事件で、軍事政権側が、犯人に結びつく情報を求めて報酬をうたったビラの配布を始めた。

     これまでは少数民族武装組織などの犯行と非難しており、当初の断定調とは裏腹な対応となっている。

     軍事政権の警察当局が作成したビラは、通報用に8本の電話番号を紹介し「テロリストに関する情報をお寄せ下さい。情報が正しければ500万チャット(約50万円)支払います」と異例の報酬も約束した。

     軍事政権下の国営テレビは事件当日、カレン民族同盟(KNU)など3つの少数民族武装組織と海外亡命者組織を犯行グループと名指しした。

     だが警察当局はその後、民主化運動の元学生指導者らを招いて事件について意見交換するなど、民主化勢力として危険視してきた人物らからも情報収集。4組織が「無関係」と反論、事件解明につながる手がかりも乏しいため、国民の協力を求める方針に変更したとみられる。

    犯罪情報に対しての情報に報酬を与える、というようなことを軍政が行うとは。私が知らないだけかもしれないが、今までなかったことだろう。それほど、今回の事件についての情報が乏しく、危機感を持っているのではないか。ミャンマー国民には「通報の義務」が法的にあり、犯罪等の情報は通報しなければいけないことになっている。それに、今までであれば「優秀な」情報機関であるMIがあったのが、それも今はほとんど機能していない。MIについては、「民主化が遠のく?」で書いたが、MIがミャンマーの治安を守っていたのは事実である。ただ、こういう強力な組織の存在があったから、警察の能力(権力)はあまり高くないとも言える。

    この読売の記事でもうひとつ注目すべきは、【ヤンゴン=川辺徹】になっていることだ。
    川辺記者の前回の記事「ヤンゴンで3か所同時爆発、数十人死亡の証言も」では【バンコク=川辺徹】になっている。今回はミャンマーに入国して記事を書いているようだ。ということは、ジャーナリストビザを発給してもらたのか。そうであれば、こういう事件の後にジャーナリストビザが出るということも珍しいことである。

  • 昨日の続きです。
    昨日見逃していたのがひとつあった。去年12月のパアンでの爆弾事件についての記事に書いていたが、その中で、「強壮なビルマ学生戦士」が犯行声明を出したという朝日新聞の記事があった。この元記事はもう削除されていて見ることができないが、この「強壮なビルマ学生戦士」”Vigorous Burmese Student Warriors” は、1999年10月にバンコクのミャンマー大使館占拠事件と、2000年1月にタイ西部のラッチャンブリの病院占拠事件を起こしている。大使館占拠事件のときにはタイ当局は犯人全員をミャンマー側へ逃がした。その後、彼らはカレンの武装勢力KNUの分派である God’s Army と合流し、今度はタイの病院を占拠した。しかし、今度は10名全員がタイ治安部隊により射殺された。犯人の10名の中に大使館占拠事件の犯人が2名含まれていたという。その後、God’s Army の本拠地はミャンマー国軍によって制圧された

    ヤンゴンの爆破事件でひとつ不思議だったのが、なぜタイの物産展会場を狙う必要があったかということだ。ショッピングセンターなどは富裕層が行くところなので、そこを狙うというのは考えられる。「タイ」を狙ったのが必然なのか偶然なのかは分からないが、”Vigorous Burmese Student Warriors”や”God’s Army”の流れを汲む者たちであればそこに必然性がある。

    あと、8日のブログ「ヤンゴン爆発事件、続報」で

    土曜日の午後3時、一般の人たちで賑わう場所をわざわざ狙った悪質なテロである。このようなテロはミャンマーでは前例がない。唯一あるのは、1983年に北朝鮮の工作員によるラングーン爆弾テロ事件である。

    と書いたが、ミャンマー人から間違いを指摘された。88年以前のネウィン時代には幾度か一般人を狙った少数民族の武装組織によるテロがあったという。手口としては、一般客が乗っている列車を爆弾で爆発したり、客船を銃で狙っていたという。ただ、ヤンゴンでこれほどの大規模なテロは初めてらしい。

  • 5月7日付の New Light of Myanmar に爆発事件のことが書かれている。この記事は軍政が公式発表したもので、日本および海外のメディアがこれを元に記事を書いている。ということで、本記事をそのまま翻訳してみた。下手な翻訳だがお許しを。間違いがあったらご指摘願います。

    ヤンゴンでの爆発はテロリストによる冷酷な行為の結果だ
    群衆への爆風により、罪のない人々を負傷させ殺した
    KNU、Ywet Sit 率いるSSA、KNPP、亡命中のセインウィン率いるNCGUBのテロリストのグループが共謀して残酷な行為を行った

    YANGON、5月7日、
    今日ヤンゴンで連続爆弾爆発事件が起きた。午後2:50にMingala Taungnyunt Township のヤンゴントレードセンターで、午後2:55に Mayangon Township の ジャンクション8センターで、そして、午後3:00に Sangyoung Township のダゴンセンターで。それはテロリストたちの共謀による残忍な行為で、国と社会の平和と安定を犯すものである。

    合計11名の罪のない人々と僧侶が命を失い、162名が爆風で負傷した。

    首相の Soe Win 中将、SPDC第一書記のThein Sein中将、ヤンゴン管区議長の Myint Swe 少将、内務大臣のMaung Oo少将、保健省大臣の Kyaw Myint 博士、そして当局は、事件現場とヤンゴン総合病院に急行して必要な援助を提供し、犠牲者への処置を行った。証拠(証言)によると、KNU、Ywet Sit 率いるSSA、KNPP、国外在住の Sein Win 率いるNCGUB、などのようなテロリストグループによって非人間的な行為が行われた。

    テロリストグループのメンバーは一般の人々に紛れ、タイの見本市が開かれていたヤンゴントレードセンターを訪れた。彼らはYTCの三階のエンターテイメントステージの前にあるシートの間に置かれたバッグに時限爆弾を仕掛け、爆発は起きた。

    他の爆発は、買い物客に偽装したテロリストグループのメンバーがジャンクション8センターでシティのマートを訪れ、カウンターに時限爆弾が入ったバッグを置いたときに起きた。

    同様に、買い物客を装ったテロリストがダゴンセンターに入り、一階のエスカレーターの近くに時限爆弾が入ったバッグを置き、その後、爆弾が爆発した。

    当局は市民の協力により、僧侶と人々が往来している混雑した地域で邪悪な行為を行ったテロリストを摘発するよう調査している。

    人々の生命と財産を危険にさらす忌まわしい犯行を行うテロリストの破壊活動に関する情報があれば、市民と僧侶は挙動不審の見知らぬ人と物に対して不断の警戒を行うことになっている。

    疑わしげな人々か物を見つけるようなことがあれば、遅れずに警備組織に報告しなければいけない。

    上記で「などのような」の部分を赤くしたのには理由がある。原文ではその部分の文章は、

    According to the evidences, those who committed the inhuman acts are terrorist groups such as KNU, SSA led by Ywet Sit, KNPP and NCGUB led by expatriate Sein Win.

    となっている。such as なので、「などのような」にした。日本や海外の報道では、今回の事件の犯人として軍政は KNU, SSA, KNPP, NCGUB を名指しで批判したという記述になっているが、半分正しくて半分間違っている。なるほど、この New Light of Myanmar の記事のタイトルでははっきりと犯人として名前を挙げているのだが、本文ではなぜか such as になっている。結局、軍政側も現時点では犯人が誰かは分かっていないようだ。

    今回の事件の犯人はまだ全然分からないが、軍政が発表しているような少数民族グループでもないし、民主化グループでもないだろう。シャンやカレンなどだったらタイの物産展会場を襲うわけがない。国境付近での戦いでは、ミャンマー国軍に押されたらタイ側に逃げ込んでいた。タイ国軍によって守られていたという側面がある。そういう恩義のあるタイに被害が及ぶようなテロを行うわけがない。他の少数民族にしても、不特定多数の一般人を標的にすると、自分たちの民族の人まで殺す恐れがある。また、他の少数民族グループにしても、ヤンゴンで不特定多数の一般人を狙うと、自分たちの民族も犠牲になる恐れもあるし、従来の戦い方からして無差別テロは考えにくい。

    また、今回の爆発テロが起こる前に小規模の爆発が何度かヤンゴンやマンダレーであった。これらについては、軍政の自作自演ではないかという噂があったが、今回のような大規模な事件を起こすことは考えにくい。

    民主化闘争のグループにしても、無差別テロは一般人を敵にまわすだけだからやるはずがないし、彼らのシンボルであるアウンサンスーチーは非暴力主義者でもある。ただ、気になるのが共産主義勢力だ。無差別テロを行うにはイスラム原理主義のように宗教的バックボーンがなければなかなかやれるものではない。日本ではオウム真理教の記憶が生々しいが、他にもテロリストがいた。赤軍派である。共産主義も一種の宗教だとうのはよく言われることだ。で、ミャンマーであるが、去年の12月に「爆弾事件」ということでこのブログに書いた。ミャンマーの共産党は非常に弱体化しているが、「Demo-2006」というのを発表している。

    もうひとつ気になるのが麻薬絡みだ。最近でこそ減りつつあるが、ワやコカンのアヘン生産は有名である。昔は麻薬王として海外で有名だったクンサなどもシャン連合軍を率いていた。他にも麻薬を収入源としている少数民族グループはある。また、彼らが90年代にミャンマー政府と停戦するときに、麻薬を含む数々の利権を手にし、武器の携帯もそのまま許された。その停戦交渉の窓口になっていたのが、去年失脚したキンニュンである。最近、この停戦協定を見直すという動きが軍政内にあった。それに対する反発がテロに繋がったという可能性は考えられる。

最近の投稿

過去記事

サイト内検索

 
WP_Modern_Notepad