30人の志士へ弔問

ミャンマー時事

昨日、「ミャンマー軍政、軍情報局拘束の約4000人を釈放」という発表があった。軍情報局に拘束されていた人たちという発表なので、政治犯関係の人たちが多く含まれると思われる。この釈放が単なる人気取りなのかどうかは現時点では分からない。他に気になるニュースというと、Myanmar makes possible gesture to Suu Kyi という発信元がロイターの記事だ。タイトルにはアウンサンスーチーと出ているが、内容はスーチーとは直接は関係ない。ビルマ独立の中心グループであった「30人の志士」の一人Bohmu Aungが死亡し、その弔問に軍政高官が訪れ、タンシュエ議長からの弔辞を渡したそうだ。30人の志士たちの死亡に際し、政府が弔問したのは1962年以降はじめてだ。この「30人の志士」のリーダーは独立直前に暗殺されたアウンサン将軍だった。スーチー氏の父である。彼らは独立の英雄たちであり、ビルマ国軍の祖でもある。日本とも非常につながりが深い。本来なら、国家的英雄たちである彼らは国から丁重に扱われるはずであるが、実際にはそうでもなかった。30人の志士の一人であったネウィンが62年より独裁体制を敷くと、自分の権力を守るため、批判的な古いくからの仲間たちを遠ざけるようになった。タイに亡命した者もいる。また、88年以降はアウンサンの娘が民主化のシンボルになってしまい、アウンサン将軍を語ること自体もタブーに近くなってきていた。62年以降30人の志士の弔問が行なわれなかったのはこういった背景があった。それが今回弔問を送ったというのは何かの変化のサインのように見える。