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チン州南部、ルンユー(石曳きの祭り)の写真



チン州南部の中心地、ミンダ。そこからジープで6時間ばかり走ったところにクイリン村がある。チン族の中でもムン族といわれる人たちが住む村で、標高2000メートルばかり。戦後初めての外国人だと言われた。

この村でルンユーという祭りが行われるというので3週間ばかり滞在した。ルンユーとは、直訳すると「石酒」。巨石を運んで酒を振舞うという祭りだ。この祭りは個人が主催する祭りである。主催者は祭りに参加した村人たち全員に食事や酒などを振舞う。大切なミトン牛(ナガからチンの山岳地帯に分布する、半家畜半野生の牛)を何頭も殺し、祭りの間の食事や大量の酒、食料の蓄えが十分とはいかない山岳地帯で、これらを振舞うというのは、非常な負担である。だが、その負担をあえてすることが男としての生きた証だという。また、山から運ばれてきた平らな大きな石はテーブル状に設置され、自分が死んだ後はその下に自分の骨を埋める。墓でもある。こうした一連の儀式を1週間ほどかけて行うのがルンユーの祭りだ。

これと同じような祭りは隣のナガ族でも行われている。もっと昔はアジア全域で似たような祭りが行われていたという説もある。長く続いてきた祭りであるが、最近は少しずつ廃れてきているという。若者に聞くと、こんな無駄なことは自分はやらない。それよりも、町に出て生活したいという。ここミャンマーの奥地でも変化が訪れている。

2004年1月10日
後藤修身
*写真は2002年撮影

撮影・著作権
チン 〜ティディムチン 〜ミンダ周辺2001チン 〜ミンダ周辺2002 チン州南部〜ルンユー(石曳きの祭り)

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