首都移転と占い

ミャンマー時事

賞味期限切れの話題になるかもしれないが、1カ月ほど前にピンマナへの首都移転の話が盛り上がっていた。ヤンゴンで最近移転に関する噂が出ているかどうか知らないが、海外では全くニュースはなくなった。移転は順調?に進んでいるんだろうか。

ピンマナには一度行ったことがある。地理的にはヤンゴンとマンダレーの中間で、気候的にも雨の多い下ビルマと乾燥した上ビルマの中間で、雨も多からず少なからずと過ごしやすい。もう7年前になるが、98年にピンマナから車で30分ほどのイェジィンというところへ行ったことがある。そこでは光がキラキラと光っていた。変な表現だが、空気が透明で光りの粒を感じるような気がしたのだ。「イェジィン(ピンマナ近郊)の写真」のページに写真を何枚か載せている。イェジィンには農林業関係の研究所や大学が集まっている。また、ピンマナの近くにはエラという町もあり、そこには鉱山研究所もある(今もあるんでしょうか?)。それらの研究所には日本からJICA関係の研究者も派遣されていた。というような環境なので、一部の日本人の間ではビルマの筑波と言われていた地域だ。イェジィンに2日ばかり滞在したが、品のある豊かな田園地帯という感じでちょっと浮世離れした感じもあったところだ。そんな地域が今や最近首都移転という政治のまっただ中にいるというのは、私にはちょっと複雑な心境だ。

この移転については上記にリンクした毎日新聞の報道では、

軍事政権の動向に詳しいある専門家は「米国によるイラク攻撃以来、軍事政権幹部らは、自分たちもいずれ(米国の)攻撃対象になるかもしれないと過敏になっている。施設はそうした事態を想定した新たな軍の司令施設である可能性が高い。河口に面したヤンゴンは海からの攻撃にもろいため、新たな基地として山間部を選択したのだろう」と分析する。 

というような記事が出ていたが、そんなの考えられない~~。どう考えても、ピンマナに首都を移転する合理的理由など思い浮かばない。そう、合理的説明をしようとすること自体が間違いだ。ということは、私の信頼するミャンマー人の友人が言っていたのだが、ヤンゴンで噂になっていたように「占い」によって決まったというのが真実ではないか。え~?占い?と思う人もいるかもしれないが、ミャンマーは知る人ぞ知る占い大国だ。そこら中に占い師がいる。ネウィン元大統領も相当占いに入れ込んでいた。廃貨を行って新たに90チャットや45チャット紙幣を作ったときにも、9が彼のラッキーナンバーだからだという話があった。お抱え占い師もいたという。今のタンシュエ議長も専属占い師がいるという話がある。また、ミャンマーでは空を飛ぶ僧侶がいたり、夜になるとそこら中で幽霊が出てくる。という具合に「不思議」がたくさん残っている国である。以前紹介したマヌサーリーの世界である。今回の首都移転もそんな話のひとつのような気がする。