2005年のミャンマーは?

ミャンマー時事

あけましておめでとうございます。
去年はこのブログにつきあっていただきありがとうございました。

去年のキンニュン失脚とそれに伴う様々な動きも、最近はすっかり沈静化し、2005年の政治はこのまま安定化するかのように見える。今年考えられる、三つの変動要素を上げてみたい。MI弱体化の影響、2006年のASEAN議長国、中国の動向である。

MIの現状がどうなっているか公式情報はないが、上のクラスは数千人規模で取り調べを受け、下のクラスは元の所属の軍に戻されたという噂がある。これを信じると、現状のMIはほぼ活動停止状況である。このままMIを解体する方向なのか、または新たに強力な組織を作るのか分からない。MIの存在が軍が長期支配を続けることのできた大きな要素のひとつであるので、注目したい。

2006年にミャンマーはASEAN首脳会議の議長国に予定されている。欧米諸国はいつものように強く反対しているが、ASEAN内部でも民主化への圧力を強めようという動きがある。いずれにしても、今年中に何らかの目に見える形での民主化の動きがないと来年の議長国は難しいという見方が多い。こちらの動きも注目される。

最後に中国。2004年はアジアの安全保障での中国の脅威が大きくクローズアップされた年だ。東南アジアは歴史的に中国の圧力をずっと受けてきた地域なので、中国への警戒心が強い。欧米の批判を受けながらもミャンマーをASEANに取り込んだのも、対中国戦略の部分が大きい。ミャンマーは中国の軍事戦略上重要な位置にある。インド洋へ抜ける道になるからだ。既にアンダマン諸島の北にあるココ島には中国の海軍基地があるといわれている。クリントンの民主党政権時代は中国融和に励んでいたアメリカであるが、ブッシュ共和党政権、特に2期目となった現在中国へは警戒心を持って対応している。日本の最近の動きもこれに連動しているものと思われる。従来、アメリカの安全保障政策では重要視していなかったミャンマーを巡る中国の動きであるが、これからアメリカが関与し始める可能性もある。その場合、アメリカの対ミャンマー政策の変化も考えられる。

とまあ、初日から堅い話になってしまった。
今年は政治の話以外にも楽しい話も書くようにしますので、よろしくお願いします。